宿泊トーカ!
(オルタナティブスクールの宿泊イベント)キャンパス長コラム
8月の3日間、長野県塩尻市へ「宿泊トーカ」に行ってきました。参加したのは、小学2年生から中学3年生までの子どもたちと大人を合わせた総勢29名。川で豪快に飛び込みを楽しんだり、火を起こして全員参加で夕食を作ったり、夜遅くまで語り合ったり。竹を使った弓矢作りや班対抗のスイカ割り大会、驚かす側の方が大張り切りだった肝試しなど、笑顔と活気に満ちた3日間となりました。
宿泊トーカは、自然を満喫するキャンプとも、私が学生時代に経験した学校の林間学校とも少し違います。一番の特徴は、『スケジュールを自分たちで決められること』です。
今回も「この3日間で何をしたいか」を、どこに行くかも含めて子どもたち自身で話し合って決めました。2日目は「アスレチック」「温水プール」「水鉄砲大会」「チャンバラ対決」「川遊び」「宿の中でのボードゲーム大会」など、たくさんの候補が出たため、最終的に3チームに分かれて活動することに。
子どもたちが「やりたい!」と決めた想いを実現するため、施設へ問い合わせの電話をかけたり、車の手配をしたりと、大人たちも裏方として大忙し。でも、自分たちで決めた活動を楽しむ子どもたちの晴れやかな表情を見ていると、頑張れるものです。帰り道に「合宿って…本当に楽しいな」とぽつりと呟いた男の子の言葉が、とても印象的でした。
帰宅後にキャンパスで行った振り返りでも、「次は沖縄か韓国に行きたい!」「せっかく長野に行ったから、ご当地グルメも食べたかったな〜」「毎月開催しない?」「ラーメン巡りの旅もいいかもな」と、早くも未来に目を向けている姿がありました。私自身振り返ると、林間学校のあとに「次は○○したいな~」と考えたことなんてなかったので、与えられたプログラムをこなす受け身の姿ではなく、「次はこうしたい」と主体的に人生を楽しもうとするトーカの子たちの姿はとても素敵でした。
また、今回の旅で特に温かい気持ちになったのは、スケジュールを決める過程で、子どもたちが常に前を向いていたことです。
実は2日目の塩尻はあいにくの大雨。当初予定していた屋外での遊びは難しい状況でした。それでも、「雨だから嫌だな」とこぼす子は誰ひとりいませんでした。
それは前日の夜、宿泊した宿の責任者である村上さんという方からのお話も関係しているでしょう。村上さんが、子どもたちにこんな話をしてくださっていました。
「できないことなんて、ない。できるイメージができたなら、それは必ず実現できる。頭の中のあらゆる部分を使って考え続けて。それがいつか、自分の世界を広げてくれるから」
子どもたちはその言葉をしっかりと胸に受け止め、体現していました。「雨だからできない」と理由を探して諦めるのではなく、「それなら、どう楽しむ?」と知恵を出し合ったのです。この柔軟な捉え方と前向きな姿勢は、宿泊トーカが終わったあとも、彼らの中にずっと生きていく大切な財産になると信じています。
宿泊トーカは、すべての瞬間が大切な「学びと経験」の場です。
家族以外の他人と過ごす集団生活は上手くいかないことや思い通りにならないことも多くあります。時には隣の人にイライラしたり、自分の意見が通らなくて悔しかったり、誰かのために我慢したり、といった瞬間もあったことでしょう。
それでも、そのときに生まれる感情やそれを乗り越えた経験こそが、これから社会に出たときに必ず役立ってくれる。私たちはそう信じています。社会ってときに意地悪で、孤独にさせるんですよね。でも大丈夫。
私たちはこれからも、子どもたち一人ひとりの「やってみたい」に寄り添い、失敗も成功も丸ごと受け止めながら、あたたかく見守っていきたいと思っています。




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